こんにちは、FamFam編集部です。
最近ニュースに取り上げられることの多いモンテッソーリ教育ですが、具体的な中身はよく知らないという方も多いのではないのでしょうか。
モンテッソーリ教育は、100年も前から提唱されている教育メソッドです。
将棋棋士の藤井聡太さんや、Facebook創業者のマークザッカーバーク氏など、多くの著名人が幼少期に受けた教育として話題になっています。
モンテッソーリ教育を受けた著名人
- 藤井聡太(将棋棋士)
- マーク・ザッカーバーグ(Facebook創設者)
- ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
- アン・ハサウェイ(女優)
- テイラー・スウィフト(歌手)
この記事では、そんな飛び抜けた才能を育てるモンテッソーリ教育の特徴を簡単に解説していきます。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育とは簡単に言うと、子どもが自分で自分を育てる「自己教育力」を養う教育方法です。
子どもが好きなだけ活動に取り組むための環境が整備され、大人は子どもの好奇心が自発的に現れるようにサポートします。
この「自己教育力」により、子どもの自主性・好奇心・集中力が育まれて、大人になってからの創造性や問題解決能力に繋がります。
モンテッソーリ教育の起源
モンテッソーリ教育は1907年にイタリア初の女性医師であるマリア・モンテッソーリによって提唱されました。
彼女は精神病院で、知的障害児へ知的水準を上げる感覚教育法を施しており、医師によるエビデンスに基づいた科学的な教育法という点で当時は非常に画期的でした。
彼女が完成させたモンテッソーリ教育を施す施設は「子どもの家」と呼ばれ、以降90年以上世界各地に展開されその効果が実証されています。
自律と自立を育てる
モンテッソーリ教育では、子どもの「自律・自立」を目標としています。「自律・自立」とは、自分の頭でよく考え、自分のからだをよく使い、自分のやりたいことを自分で追求したり展開できる力です。
また、モンテッソーリ教育では、子どもは自分で学ぶことができる存在で小さな大人であるとみなします。
そのため、周りの大人は子どもの邪魔をせずに子どもが思う存分にやりたいことができる環境を整えて観察し、子どもの自発的な活動を助ける役割に徹することが重要となります。
モンテッソーリ教育の特徴
モンテッソーリ教育は従来の教育とは異なり、発達段階に合わせて子どもが安心して自由に個別活動を行います。
ここからは、モンテッソーリ教育を特徴づける、「敏感期」、「環境整備」、「モンテッソーリ教具」の3点を解説していきます。
敏感期に合わせた教育
モンテッソーリ教育では、0歳から6歳を特別な期間として位置付けています。
脳科学の分野ではこの頃までに、将来の能力を左右する、脳の神経細胞のネットワークができあがると言われているからです。
この時期に、子どもにどのような経験をさせてあげられるかで、子どもが発揮できる能力が大きく変わってくるのです。
モンテッソーリ教育では従来の教育とは違い、0歳から6歳の子どもそれぞれの発達段階に合わせて、その子が一番吸収する教育環境を用意します。
この大事な発達段階を「敏感期」と呼びます。「敏感期」には、子どもはある能力を得るために何かに強く興味を持ち、同じことを繰り返しながら様々な力を身に付けていきます。
敏感期の種類
- 秩序の敏感期
- 運動の敏感期
- 感覚の敏感期
- 言語の敏感期
- 数の敏感期
- 文化の敏感期
環境の整備
「子どもはすべてのことができるように生まれてくる、もし、できないことがあるとすれば、物理的に不可能な環境にあるか、どうすればいいのか、やり方がわからないだけ」というのが、モンテッソーリ教育の考えです。
モンテッソーリ教育では、子どもの自己教育力を阻害しないため、子どもが集中と作業のしやすい整理整頓された環境を整備します。
子どもが自分で活動を選べるよう、子どものての届きやすい場所に道具や教材を準備し、活動内容や発達段階に合わせた場所を用意します。また、子どもが自分でものを選ぶだけでなく、片付けも自分でできる状態にします。
そして、教師は「教える人」ではなく子どもの「援助者」として環境を整えます。子どもを見守ることを第一とし全てを教えることはせず、子どもの自己教育力が育つように選択肢を与えて、子ども自身に決めさせることで成長につなげます。
モンテッソーリ教具
モンテッソーリ教具とはマリア・モンテッソーリが開発した教材のことで、子どもの知的感覚の発達を助ける役割があります。
モンテッソーリ教具は以下の4つの特徴があります。
教具の4つの特徴
- 子どもサイズであること
- 美しいこと(本物であること)
- 困難性が単一であること
- 誤りの訂正が自らできること
美しい本物の教具を使うことで、子どもが教具を触ってみたいという好奇心が刺激され、ものを丁寧に扱うことにも繋がります。
また、子どもができるレベルでないと、教具を触っても興味がすぐ失せてしまいますし、子どもが試行錯誤しながら扱い方が理解できる工夫がなされています。
モンテッソーリ教育の分野
モンテッソーリ教育では、普段の活動を「おしごと」と呼びます。発達段階である敏感期に合わせて、5つの分野でおしごとが用意されています。
5つの教育分野
- 日常生活の練習
- 感覚教育
- 言語教育
- 算数教育
- 文化教育
ここからは、上記の5つの分野の特徴を解説していきます。
1.日常生活の練習
「机を拭く」「お茶を入れる」「ボタンをかける」などの日常生活の練習を通して、身体の動かし方を学ぶのが目的です。
この時期の子どもはすぐ大人の真似をしたがります。私たちにはイタズラに見える行為でも、子どもは大人の真似をしながら自分の体を思うとおりに動かす練習をしているのです。
日常生活の練習を通して、自分のことを自分でできるようになり、子どもが自立へと向かっていきます。
2.感覚教育
モンテッソーリ教育では3歳から6歳までを「感覚の敏感期」とし、「視覚」「聴覚」「触覚」「臭覚」「味覚」の五感が著しく発達する時期としています。
「ピンクタワー」や「円柱さし」など、洗練された様々な感覚教具を使いながら、子どもの「観察する力」や「考える力」を養っていきます。
子どもの五感の発達は非常に重要で、後述する「言語教育」「算数教育」「文化教育」の知的活動の基盤となります。
3.言語教育
子どもが吸収する言葉の量や質は環境されやすいため、モンテッソーリ教育では系統だった言語教育を実施します。
絵本や絵カードの教具を利用しながら、発達段階に合わせて子どもは言語のイメージを拡げます。
モンテッソーリの言語教育では、「話す」「書く」「読む」だけでなく、「文法」や「文章構成」も早期に学ぶのが特徴です。
4.算数教育
モンテッソーリ教育では、抽象的な数を概念を、具体的に触れるものとして扱いうことが特徴です。
ビーズなどの教具を使って、「1」「10」「100」「1000」といった単位を視覚や重さで把握し、その感覚を「数字」に結びつけていきます。
このように抽象概念と具体物を両方扱うことで、ただ数を数える能力だけではなく、抽象的・論理的思考が身につきます。
5.文化教育
モンテッソーリの文化教育は、子どもの好奇心を刺激し想像力をかき立てる、総合的テーマを扱う教育です。
日本・世界の歴史や文化、道徳・宗教、地理・地学、動植物、音楽・美術など、幅広い分野を扱います。
時計パズルや色付き地球儀などの教具も活用しながら、周りのあらゆるものに対して「感謝と愛」の気持ち養うことを目的とします。
モンテッソーリ教育のメリット・デメリット
モンテッソーリ教育のメリットだけでなく、デメリットも気になる方も多いのではないしょうか。
メリットは下記になります。「子どもを丁寧に観察し発達段階に合わせた教育を施す」という、これまでの説明からも納得ではないでしょうか。
モンテッソーリ教育のメリット
- 個性が伸びる
- 自主性と積極性が身に付く
- 集中力が身に付く
- 情緒が安定する
デメリットとしては下記が挙げられることが多いです。しかし、これらのデメリットは対処可能で、批判として根拠が薄いものも多いです。
「協調性が薄くなる」という指摘に関しても、年齢が混在したクラス編成で上級生との関わりも多く、協調性を育む場面はいくらでもあります。
また、順応性が高くなるので、自分の頭で考えて環境に応じた振る舞いをできる子も多いです。
モンテッソーリ教育は室内遊びが多く、「運動不足」の指摘もありますが、園によっては外遊びをきちんと組みあせています。
また、ご家庭で運動する時間を増やすなど、対処法は見つけやすいです。
モンテッソーリ教育のデメリット
- 協調性が薄くなる
- 運動不足になる
- 活発な子に向かない
モンテッソーリ教育をお家で実践
モンテッソーリ教育を受けさせたいけど、近くに施設がないという方も多いのではないでしょうか?
ここからは、モンテッソーリ教育をお家で実践するためのポイントを解説します。
お家で実践するためのポイントは「観察」と「敏感期」です。子どものイタズラや不可解な行動も、よく観察すると成長のためのヒントがあります。そして、子どもが今どこに向かって成長しているのか、背景を推測するために敏感期の理解が重要です。
子どもを観察する際の注意点として、子どもが悩んでいても先回りして全てを教えないようにしましょう。子どもに試行錯誤の機会を与えることが成長へと繋がります。子どもが教えて欲しいというタイミングでまでじっと待ち、教える際はゆっくりとやり方を見せてあげましょう。
また、子どもにもに何をしたいか選択肢を提示することで、子どもの自主性が育まれます。
モンテッソーリ教育で子どもの才能を育てよう
モンテッソーリ教育の概要や特徴を解説してきまが、いかがでしたでしょうか。
AIの発達によって、創造力や問題解決力がますます重要になってきますが、モンテッソーリ教育は子どもの自主性・好奇心・集中力を育み、子どもが自ら学び、考え、創造する土台を養ってくれます。
この記事でモンテッソーリ教育にさらに興味を持った方は、是非モンテッソーリ保育園・幼稚園の通園や、お家でモンテッソーリ教育を取り入れるなど考えてみませんか。